「飛躍するトルコの経済」 第41回
8月の貿易額について

前回はトルコの8月の住宅販売についてお伝えしました。
今回はトルコの8月の貿易額についてお伝えします。
経済成長の方法のひとつは、国で生産された商品とサービスを他国に販売し、外貨収入を獲得する、つまり資本を増加させることです。
ある国が海外に商品やサービスを販売することを輸出、外国から商品やサービスを購入することを輸入と言います。
一つの国の輸入総額と輸出総額の合計は、貿易総額として現れます。
国々が輸出した商品やサービスを大量に輸入すると貿易赤字が、少なく輸入すると貿易黒字が出ます。
貿易の発展は経済に多くの面から効果を与えます。
まず国々に必要な商品やサービスを海外の自由市場から適切な価格で購入することは、投資家と国民の両方に様々な利益をもたらします。
これらはさらに良質な商品が、さらに適切な価格で提供されるということです。
そして国々の資本、労働者、自然資源などの製造部門を、より効率的に使用することも促します。
国の輸出増加は国内に外貨をもたらします。
外貨の流入は国の通貨を増加させ、通貨の増加は金利低下と国民購買力を増強させる効果をもたらします。
金利が低い環境は投資家たちが適切な借入条件で新しい投資を行うことも促します。
トルコは発展する経済国の中で上位20位に入っています。
8000万人近くの若くダイナミックな人口と、生産と消費が発達した市場を持っています。
発展したトルコ経済で、貿易の、特に輸出の重要性は大きなものとなっています。
トルコが近年輸出した商品には自動車、軍需品、農産物、エネルギーなど、多種多様な部門の商品があります。
最近、トルコ統計局(TÜİK)がトルコの2016年8月の貿易統計を公表しました。
TÜİKと税関通商省が共同して作成した月次貿易データによると、2016年8月のトルコの輸出は2015年同月に比べ7.7%増加し、119億ドル(約1兆3956億円)、輸入は3.7%増加し165億ドル(約1兆9351億円)でした。
トルコの2016年8月の貿易赤字は5.3%減少し46億8700万ドル(約5497億円)でした。
トルコの最大貿易相手国はドイツで輸出総額は11億9300万ドル(約1399億円)、2位はイギリスで9億2100万ドル(約1080億円)、3位はイラクで7億800万ドル(約830億円)、4位はアメリカで6億600万ドル(約710億円)でした。
つまり、経済成長の手段の一つとして国が生産した商品やサービスを他の国々に販売して外貨収入を得ることは、資本を増加させることにつながります。
貿易の、特に輸出の増加は国にさらに多くの外貨流入をもたらし、経済発展を助長させます。
さらに輸出増加は輸出に対して行われる投資と、投資による雇用増加に効果をもたらします。
TÜİKから公表された2016年8月の貿易額によると、2016年8月のトルコの輸出総額は2015年同月に比べ7.7%増加し119億ドル、輸入総額は3.7%増加し165億ドルでした。
2023年に年間5000億ドル(約59兆円)の輸出総額を目指すトルコで輸出が増加し続ければ、国の経済成長と国民の生活向上に効果を与え続けます。
執筆:カラビュク大学経済学部ヒュセイン・カラメリクリ助教