「トルコ・ユーラシア協議事項」 第2回

2016年に、トルコとトルコ系共和国諸国では多くの事件が起こりました。

「トルコ・ユーラシア協議事項」 第2回

私たちも今週このプログラムで、地域で起こった重要な出来事を分析します。

この件に関して、アタテュルク大学国際関係学科の研究員ジェミル・ドアチ・イペク氏の見解をお伝えします。

2016年は、トルコと中央アジアのトルコ系共和国諸国にとって、困難な1年となり、テロや世界的な景気後退が主要な協議事項の話題となりました。

トルコ

トルコは、2015年11月1日の選挙によって政治的な安定がもたらされたにもかかわらず、2016年は実に多くの問題に直面しました。

国家機関における違法な組織化により、トルコ共和国から安全の脅威とみなされた「フェト」こと、フェトフッラー派テロ組織・パラレル国家構造(FETÖ/PDY)は、7月15日夜、流血沙汰の軍のクーデター企てを行いました。トルコ国民が勇敢にも戦車の前に立ちはだかり、エルドアン大統領が決然とリーダーシップを発揮したことによりクーデターが鎮圧されたことは、トルコにとっての転換期となりました。

シリア危機により強大化したテロ組織・クルド労働者党(PKK)とDEASH(ISIL)は、トルコでテロ攻撃を行いました。テロ攻撃で相互を強大化させ、まるで秘密裡に同盟を組んでいるかのようなこの2つのテロ組織は、イスタンブール、アンカラ、アダナ、カイセリ、ガジアンテプ、ディヤルバクルで虐殺を行いました。これらのテロ攻撃を行ったテロ組織を、その強大化したシリアで弱体化させるために、トルコは「ユーフラテス川盾作戦」を開始しました。トルコ軍の支援を受けた自由シリア軍により、アザズからジェラブルスにかけての地域からDEASHが一掃されたことは、DEASHとPKK両方との戦いにおいて重要なステップとなりました。

トルコの経済は、世界経済の停滞やテロ攻撃にもかかわらず、2016年の前半の半年で大いに成長を遂げました。クーデター企て未遂事件が起こった第3四半期は、経済の一部後退が起こりました。

カザフスタン

カザフスタンの経済は、大きな割合で石油の輸出に頼っています。そのため、石油価格の下落はカザフスタンの通貨・テンゲに悪影響を及ぼし、テンゲの深刻な下落が起こりました。その悪影響にもかかわらず、カザフスタンの経済はナザルバエフ大統領のリーダーシップによる賢明な政策により、深刻な痛手を受けずにそのプロセスから脱却することができました。

カザフスタンで3月20日に実施された議会選挙で、3政党が議会入りを果たしました。得票率が82.15パーセントのヌル・オタン党は83人、アク・ジョル党は得票率7.18パーセントで8人、共産党は得票率7.14パーセントで7人の国会議員を獲得しました。

6月にはカザフスタンの都市アクトベで過激派グループが武装攻撃を行いました。この武装攻撃で7人が死亡し、20人が負傷しました。攻撃を行ったテロリストのルスラン・クリクバエフには、カザフスタンでこれまで全く行われたことのなかった死刑が執行されました。

2016年10月に稼働開始したカシャガン油田では、800万~900万トンの石油と50億立方メートルの天然ガスが生産されます。2017年には、石油のバレル価格が50ドル(約5900円)として計算すると、国家予算は1億3500万ドル(約158億円)を稼ぐことになります。

トルクメニスタン

主要な収入源である天然ガスの価格が3年前と比べてほぼ半分に下落したことで、トルクメニスタンは2016年に経済的な苦境に陥りました。トルクメニスタンはこの問題を解決するために、あるプロジェクトを開発しました。それは、中国の支援を受けて、トルクメニスタンの天然ガスを中国に運ぶパイプラインの建設です。このプロジェクトにより、トルクメニスタンは中国に300億立方メートルの天然ガスを輸出すると推測されています。

天然ガス部門の停滞により、天然ガス部門に従事するトルクメン人の、推定50パーセントが一時的に失業しました。天然ガス部門の停滞は、トルクメニスタンの経済に悪影響を及ぼし、小麦粉、砂糖、油などの食糧品の供給においても問題が起こりました。

トルクメニスタンは、「永世中立国」の立場を取っているため、起こった問題に関する支援を国際組織やその他の国家から要請することを避けています。しかしこの過程で「トルコ系諸語を話す諸国の協同委員会」のメンバーから、トルコを筆頭に支援を受けたことは、問題がより短期間で解決されることにつながるでしょう。トルクメニスタンが「トルコ系諸語を話す諸国の協同委員会」との関係を発展させることは、経済、政治、文化など、どの分野においてもトルクメニスタンにとっての利益となるでしょう。

ウズベキスタン

ウズベキスタンにとって、2016年の最も重要な出来事は、9月2日にイスラム・カリモフ大統領が死亡したことでした。カリモフ大統領の死後、シャヴカト・ミルズィヤエフ氏が大統領となりました。ミルズィヤエフ大統領の時代は、ウズベキスタンにとって新時代の始まりです。カリモフ大統領は、「トルコ系諸語を話す諸国の協同委員会」を始め、地域での協同活動を遠ざける政治を行っていました。その政治の変化は、地域の役者すべてとウズベキスタンの利益となる時代をもたらし得ます。

キルギス

キルギスが石油と天然ガスの分野で消費者の立場にあったことで、2016年に起こったその価格下落によりキルギスは安定していました。キルギスの鉱業部門で、特に金において起こった外国投資の伸び悩みの影響は2016年にも続きました。2017年末頃に予定されている大統領選挙は、キルギスの来年の最も重要な協議事項の1つとなるでしょう。

アゼルバイジャン

石油と天然ガスの価格の下落は、2016年に、その重要な生産国であるアゼルバイジャンの経済に悪影響を及ぼしました。石油と天然ガスは、アゼルバイジャンの国内総生産の30パーセントを占めています。アゼルバイジャンは2017年に石油と天然ガスから完全に独立した開発モデルを発展させる目的を持っており、そのため、IMF(国際通貨基金)の支援する改革プランを用意しています。アゼルバイジャンは2017年以降、農業、情報技術、観光などの石油以外の部門の発展を目指しています。

アゼルバイジャンの、アルメニア占領下のダールク・カラバフ地域でアゼルバイジャンとアルメニアの間に結ばれた1994年の停戦協定から現在までの、最も激しい衝突が起こりました。2016年4月2日~4月5日に起こった事件は、4日間の紛争として歴史に刻まれました。紛争は同時に、20年以上活動を続けていながら現在まで成功がみられていないことにより、特にアゼルバイジャンから批判を受けている「AGITミンスクグループ」がどれほど無力であるかという事実も浮き彫りにしています。



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