「アナトリアの伝説」 第46回

今日は、アフィヨンカラヒサル地方の伝説をお伝えします。

「アナトリアの伝説」 第46回

アナトリア・セルジューク朝の時代にスルタン・アラーエッディン・ケイクバトがモンゴル人によって殺されると、その3人の娘は自分の命を守るために宝物を持って西方へ逃れました。

昔の名をカラヒサルと言ったアフィヨンの地にたどり着くと、3姉妹はその地をとても気に入り、そこが安全だと思いました。この3姉妹の名前はメレク・ペイケル、ナイメ・ゲヴヘル、アシエと言いました。3姉妹はその護衛を務めたオメルという名の誠実な男と他の侍従とともに、アフィヨンを安住の地と定めました。

人助けをとても好んだこの3姉妹は、人々が飢えの中で飲んだ水のせいでいつも病気になっているのを見て、とても心を痛めました。3姉妹は、町に健康な水を引き入れる必要があると考えました。そしてすぐに探索を始め、町全体に事足りる清潔で健康な水を、25キロメートル離れた山の斜面で見つけました。

シリン・プナル(心地よい泉)という名のこの場所には豊かな水がありました。「人々が健康になれるよう、私たちの力をこの水のために使い、この世の最後の日まで人々に私たちのために祈ってもらいましょう」と3姉妹は決めました。

ところが、この水はとあるアルメニア人のものでした。そこで、3姉妹はこの水を町に引き入れるために、水をアルメニア人から買い取ることにしました。そして水をめぐる取引が始まりました。アルメニア人はどうしても水を売りたがらず、3姉妹に無理難題を押し付けました。3姉妹の長女で最も賢いメレク・ペイケルは、アルメニア人に「あなたとは取引できない。黄金の器をあげるから、別の土器に水を入れてそれだけくれたらいい。」と言いました。

アルメニア人は驚きました。水を全部売らずに土器に水を入れて渡すだけで黄金の器を手に入れられるのです。アルメニア人の目は喜びで輝き、その申し出を受け入れました。

黄金の器が渡されました。もう1つの土器が水辺に運ばれてきました。水が流れてくる方向に向かって土器が置かれ、水がたまり始めました。メレク・ペイケルは土器を蹴り飛ばして土器の底を割り、水は坂を下ってアフィヨンに向かって流れ始めました。底に穴が開いた土器に水を満たすのは無理なことでした。アルメニア人との合意により、水はいつまでもアフィヨンの人々に届けられることになりました。

水の持ち主のアルメニア人は騙されたことに気付きましたが、もう手遅れでした。3姉妹と人々の前で与えた約束を破るわけにはいきません。アフィヨンの人々に水を届けることを、本当は彼も望んでいました。

3姉妹は2年間続いた建設作業によりできた水路を通して水を町に届けました。今日も好んで飲まれる上質な水が、町に届けられたのです。アフィヨンの人々はこれに奉仕した3姉妹のことをカドゥナナ(敬うべき女性)と呼ぶようになり、3姉妹がもたらした水も、カドゥナナの水と呼ばれました。

時が経ち、アフィヨンの地でこの世を去った3姉妹の墓を、人々は今も訪れ、敬っています。


キーワード: アナトリアの伝説

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