「アナトリアの伝説」 第50回

今日は、東アナトリアの美しい町ビトリスの物語をお伝えします。

「アナトリアの伝説」 第50回

ビトリスという名前はアレクサンダー大王の司令官のべドリスに基づくと信じられています。ビトリスには大きな城があり、その城はビトリスの町と同じ名前を持つ川の岸辺の高い岩に築かれています。ビトリスは東アナトリアの面白い地理を持つ美しい町です。

アレクサンダー大王は、マケドニアから大遠征を始め、アナトリアで対峙したペルシャ軍を2度敗走させて、東に向かって進軍し続けました。

この遠征の際に今日のビトリスが位置する川の岸辺にやって来ました。大王は軍を休ませるためにその地にとどまり、友人たちと狩りに出かけました。シカを狩ろうとしたものの、疲れを覚え、とある泉のほとりで眠ってしまいました。癒しの力を持つこの泉の水は、大王が患ってきた病気を軽くしました。もう少しその地にとどまった大王は、完全に回復しました。

大王は司令官の1人ベドリスを呼び寄せました。そしてベドリスにこの泉の近くにある丘に城を築くよう命じ、ペルシャ遠征の帰りにそこに立ち寄ると言いました。この城というのは、大王さえも征服できないほどの難攻不落の城であるべきだと大王はベドリスに言い渡しました。大王は司令官ベドリスと、その配下の兵士や地域の人々にビトリス城を築かせました。

数年が経ち、大王はペルシャ全土を征服し、今日のアフガニスタン、パキスタン、インドをも征服しようとしました。しかし、インド遠征は失敗し、大王はそれまで得てきた征服地で十分だと考えて帰途につきました。

そして長旅の後にビトリスの前までやって来ました。司令官ベドリスは、城門を閉じて防衛態勢に入りました。大王は驚きました。大王はベドリスに下した命令を忘れていました。世界を征服した者が小さな城を落とすことができないことなどあるでしょうか?

しかし、1年が経っても城はどうしても陥落せず、大王は怒りを募らせました。そしてベドリスを城壁に呼び、なぜ大王に背いたのかと聞きました。ベドリスは、「陛下、陛下は今でも私の王でございます。しかし、この城を、陛下でさえ落とすことができないほど難攻不落に建てるよう陛下はお命じになりました。私は陛下のご命令に従ったまででございます。」と言いました。

大王はベドリスに下した命令を思い出しました。そして城の包囲を解き、ベドリスに多くの褒美と名誉を与えました。

そして今日、ビトリスの町はこの司令官ベドリスの名前とともに回想されています。いつか皆さんが東アナトリアに行くことがあれば、ワン湖のすぐ近くにあるビトリスの町と、その素晴らしい自然をご覧になって下さい。


キーワード: アナトリアの伝説

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