「トルコ・ユーラシア協議事項」 第50回

北大西洋条約機構(NATO)の重要な取り組みの1つ「平和のための協力活動」は、ユーラシア地域も含む大きな計画です。私たちも今回、「平和のための協力活動」と、NATOのカザフスタンとの協力活動を分析します。

「トルコ・ユーラシア協議事項」 第50回

「平和のための協力活動」の基本目的は、冷戦終了後NATOにさらなる選択肢として提案された安全保障構造を制限することです。それによれば、NATOは一方で拡大しつつ旧東側陣営諸国を加盟国として内包できるようになるべき、一方では自身が信じる理念を周囲に広めることができるようになるべきでした。

絶対的な対立の上に築かれた安全保障の認識は、ソ連崩壊後にその魅力を失いました。NATOも冷戦の際の安全保障の認識を変えざるを得なくなりました。東側陣営から離脱した国々のすべてがNATOに加盟するのは不可能です。そのため、仲介となる解決方法を開発することが必須とされました。その関係で、「平和のための協力活動」は、この取り組みに協力者として参加する国々を、完全にNATOに内包してもいなければ、疎外してもいません。

「平和のための協力活動」の主な目標は、東ヨーロッパ、黒海、カフカス、中央アジア、バルカン諸国とNATOの間の制度的な協力を拡大し、この国々がNATOの一般的な安全保障の脅威とならないようにし、この国々が地域の安全に良い貢献を行う仲介者となるようにすることです。ここで望まれているのは、「平和のための協力活動」の参加国の国々が、長期的にNATOの創設理念に従うことと、持続的な平和と安定を築くことに貢献することです。なので、「平和のための協力活動」は、参加国が中長期的に変化することを視野に入れたプロジェクトです。

カザフスタンのNATOとの実際的な安全保障協力は、「平和のための協力活動」の協定が1994年に締結されたことで正式に開始されました。NATOのカフカス・中央アジア特使のジェームズ・アッパトゥライ氏によれば、カザフスタンは地域の同盟国の中で最も活動的な協力者です。相互協力を行うための重要な取り組みの1つは、2006年に共同で開発された2年間の個別協力活動計画です。個別協力活動計画の仲介により、同盟国は、カザフスタンに行う支援において、同国の具体的な需要や優先事項に応じて支援を行うことができます。このおかげでカザフスタンの防衛と安全分野にも貢献することになります。

1995年以降、カザフスタンは個別協力活動計画の内容で、防衛改革、軍事機構間の協力、軍民協力、民間緊急事態計画、災害対応、教育、科学的協力活動などの一連の計画に参加してきました。防衛と安全分野の改革の内容で、NATOは、カザフスタンに、防衛軍部省の制度的な改革の過程において高いレベルの経験を提供しました。

2008年7月にカザフスタン・NATO協力計画の内容で、カザフスタン・センターという名の個別協力活動計画の教育センターが、カザフスタンの都市アルマトイにある陸軍施設に開設されました。カザフスタン・センターは、2010年12月にNATOによって共同教育センターとして認定されました。同センターの本来の目的は、NATOの加盟国や協力国の軍部を含む、平和活動への参加に向けた軍人教育です。

NATO・カザフスタン協力活動の分野の1つは、国際テロリズムとの戦いです。カザフスタンは、「テロとの戦い協力活動計画」に参加しています。カザフスタンはこの計画の一員として、NATOと、関連情報や分析を共有し、テロとの戦いの能力を高め、機構間の協力活動を発展させ、国境警備を強化しています。

結論として、NATOの個別協力活動計画の内容で行われている協力活動は、カザフスタンにとって様々な利益を含むものです。個別協力活動計画は、テロ、宗教的過激思想、少数民族の衝突、組織的犯罪、麻薬密売、大量破壊兵器の普及その他の問題とのカザフスタンの取り組みを支えています。カザフスタンが、NATOへの完全な加盟を目指しているわけではないことは周知の通りです。それでも、カザフスタンにとって、NATOとの制度化された協力活動は、非常に重要なものです。なぜならこの協力活動は、カザフスタンの軍事的な強化に貢献しているだけではないからです。この協力活動は同時に、地域の安定を拡大し、中央アジアの安全保障協力を強化し、大国の近隣諸国勢力の中央アジアに向けた圧力を軽減するものです。

個別協力活動計画により、NATOは共に歩調を合わせて軍事その他の活動を行っていける国々のグループを構築しています。その一方で、その協力国は自国の軍事における最新鋭化に向けた目標を達成できています。カザフスタンのNATOとの協力活動の発展は、もちろんトルコにとっても重要なものです。カザフスタンのNATOとの協力レベルが高まれば高まるほど、そこからカザフスタンとトルコの関係も良い影響を受けます。この状況は、そもそも良好なトルコ・カザフスタン関係がさらに発展するきっかけとなります。

アタテュルク大学国際関係学部ジェミル・ドアチ・イペク博士の見解をお伝えしました。



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