「協議事項分析」 第13回

アフリンにおけるトルコの勝利

「協議事項分析」 第13回

政治経済社会研究財団(SETA)の研究者・作家、ジャン・アジュン氏著

 

シリア北西部の「テロの温床」アフリン地域からあらゆるテロリストを一掃するために、トルコ軍により1月20日17時に開始された「オリーブの枝作戦」の枠組みで、アフリンの中心部と町がテロ集団から一掃されたことを受けて、地域に民間人が帰り始めました。分離主義テロ組織PKKのシリアにおける派生組織YPGがアフリン地域で行っていた迫害からトルコへ逃げたシリアのクルド人も、帰宅するために出発し始める姿が見られています。国際世論でシリア人移民の問題が非常に議論され、特にアメリカや欧州連合(EU)諸国における民族差別が増加する中、トルコがシリアで取っている政策は、シリア人の自主的な帰宅につながっています。

ユーフラテス川盾作戦によって解放された地域にトルコが行ってきた人道支援、インフラ作業、自由と信頼の環境確立のおかげで、トルコでゲストとして滞在していたシリア人移民がシリアへ帰郷する姿が見られます。トルコはシリアでテロ対策を行う一方、民間人のために安全な避難場所を構築しています。ユーフラテス川盾作戦によって解放された地域に、シリア国外から20万人近い移民が帰宅したことが分かっています。また、シリア国内のほかの地域から何千人もの民間人がアレッポ北部にやって来て、ユーフラテス川盾作戦で解放された地域に定住した姿も見られています。

アサド軍がダマスカスやその周辺で包囲している地域にいた民間人の避難は、トルコがテロ集団から一掃したアレッポ北部に行われています。また、シリアの数多くの地域で発生している迫害を逃れた民間人もユーフラテス川盾作戦によって解放された地域に避難したことは、重要なディテールです。トルコはシリア国内で実行している作戦により、自国の国家安全保障を確保しているだけではありません。同時に、シリア人にとって新たな希望や安全な生活を確保しているのです。例えば、アメリカがテロ組織YPGのテロリストと共に行ったタブカ、ラッカ、デリゾールの作戦の際に地域から移住を余儀なくされた、またはテロ組織YPGによって追放された民間人が、ユーフラテス川盾作戦によって解放された地域にやって来て新たな生活を築き始めたことが知られています。

アメリカが名目上、テロ対策を隠れ蓑にシリアでテロ組織YPGに開拓したエリアに対する民間人の帰郷、さらには国外で暮らす移民の帰郷は論外です。アメリカがテロ組織YPGに支配を確立させた地域がユーフラテス川盾作戦によって解放された地域と比較して広大であるにもかかわらず、民間人が地域に帰郷する代わりに、その地域にいる民間人が国外やアレッポ北部に逃げるこということが発生しています。

同様に、アサド軍とロシアが大虐殺を行って手に入れたホムス、ザバダニ、ダラヤ、またはアレッポといった大規模な居住地は、なおもゴーストタウンとして存在し続けています。

シリア国内で民間人が国外からも含めて帰郷している唯一の地域は、ユーフラテス川盾作戦によって解放された地域です。オリーブの枝作戦によって解放されたアフリン地域も、民間人や移民が安全に帰れる新たな居住エリアになることでしょう。

ユーフラテス川盾作戦で解放された地域には、テル・リファートやその周辺からテロ組織YPGによって強制的に追放された何十万人以上もの人が暮らしています。帰宅を願うテル・リファートの住民たちは、トルコと自由シリア軍がテル・リファートやその周辺をテロ組織YPGの民兵から一掃し、民間人や移民が帰宅できるようにデモを行っています。一方トルコは、テル・リファートの住民がテル・リファートに戻れるよう、必要な措置を講じ始めました。

例えば、ドイツでシリア人移民に関する議論は重要な議題項目です。特に、極右政党の「ドイツのための選択肢(AfD)」は、シリア人移民がドイツにいることを望んでいません。「ドイツのための選択肢」はこれに沿ってシリアに代表団を派遣し、移民を強制的にアサド軍が支配する地域に返すためにアサド軍と交渉を行いました。しかし、ドイツの世論はこの考えを受け入れておらず、移民がアサド軍が支配する地域に戻った場合、数多くの危険が彼らを待ち受けているとしています。特に、アサド軍がシリア人移民を裏切り者と見ており、拷問を加え、抑圧的な方法を取っていることは、この考えがどれほど人道的価値に反した考えであるかということを示しています。

民間人と移民が帰宅できるよう、トルコがテロ集団から一掃された地域で安全で自由なエリアを構築したため、移民は自主的に帰宅しています。同様に、イラク国内におけるテロ組織PKKの存在を排除するためシンジャルで予定されている軍事作戦によっても、民間人の帰宅が確保されることになるでしょう。シンジャル地域がDEASH(ISIL)から攻撃を受けたあと、ヤジディ教徒の多くはDEASHから逃亡することができました。しかし、DEASHが地域から一掃されたにもかかわらず、ヤジディ教徒の80パーセントはなおシンジャルの外にあるキャンプで暮らしています。つまり、地域にテロ組織PKKが存在していることがヤジディ教徒の帰宅を邪魔しているのです。トルコがイラク中央政府と共にシンジャルにいるテロ組織PKKの存在を一掃した場合、ヤジディ教徒の大部分は帰宅することができるでしょう。

トルコは、実施した軍事作戦すべてで破壊的な勢力ではなく建設的な勢力であることを証明してきたのです。


キーワード: 協議事項分析

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