「協議事項分析」 第19回

エルドアン大統領の選挙公約と外交政策

「協議事項分析」 第19回

政治経済社会研究財団(SETA)の研究者・作家、ジャン・アジュン氏著

 

レジェプ・ターイプ・エルドアン大統領は、6月24日に実施される選挙の自身と公正発展党(AKP)の選挙公約を発表しました。選挙公約は、経済、医療、国内政策に関するエルドアン大統領と公正発展党の数多くの公約が含まれています。しかし、選挙公約は同時に、6月24日の選挙でエルドアン大統領が選出された場合、トルコの外交政策における目標や方法を方向付けることになります。

今後の過程でトルコの外交政策の重要な優先事項の1つが必ずテロ対策になることは明白です。エルドアン大統領は2016年7月15日に発生した謀反のあとに行った発言で、テロ対策はトルコ国内だけにとどまらず、国外も対象にされると語っています。最初にユーフラテス川盾作戦により自由シリア軍と共にDEASH(ISIL)をトルコ国境から一掃したトルコ軍は、続いてオリーブの枝作戦によりシリアのアフリン地域を分離主義テロ組織PKKのシリアにおける派生組織YPGの部隊から一掃しています。特に、ユーフラテス川盾作戦は、テロ対策におけるトルコの新たなアプローチがいかに正しいかということをトルコ国内でDEASHの攻撃が長い間発生していないことによって示しています。同時に、トルコ国内で全面的にテロ対策を行っている治安部隊や諜報機関は、発生していたかもしれない数多くのテロ攻撃を阻止した状況にあります。同時に、オリーブの枝作戦によりテロ組織YPGがアマノス山脈を通ってハタイ県に流入するのが阻止された状況にあります。エルドアン大統領が発表した選挙公約に鑑みて、6月24日以降、テロに対して新たな越境作戦が実行されると見られています。現在テロ組織PKKに対してイラク国内で続けられている軍事作戦は、今後も拡大しながら続けられると想定されています。また、テロ対策の枠組みで、シリア北部でテロ組織YPGに対して新たな軍事作戦が実行されることもトルコのプランにあります。

エルドアン大統領が発表した選挙公約を見ると、トルコは誰かの支配を受け入れることはなく、また誰かを支配することもないと強調されています。トルコのこのアプローチが多くの欧米諸国を不愉快にさせたとしても、世界中かつ地域で自国の国益を追求するトルコは独立した外交政策を続けていくことでしょう。特に、エルドアン大統領がトルコを世界的な立役者として定義したことは、この意味におけるトルコの目標を明白に表しています。しかし、トルコは誰かの支配を受け入れないのと同様に、誰かを支配してもいません。特に、搾取ではなく尊敬できる関係に基づいた、支援を目的としたトルコのアフリカ政策は、この最大の指標の1つです。トルコが国民総生産比でかなりの差で最も多く人道支援を行っている国であることは、トルコの人道的な外交政策の証明です。

トルコの効果的な外交政策が持続可能かつ発展するために、トルコは依存を減らし、戦略的重要性を拡大させる必要があります。この意味で、トルコの防衛産業は大きな重要性を持っています。実際、エルドアン大統領の選挙公約でも防衛産業は重要な地位を占めています。トルコは2011年以降、防衛産業の輸出を90パーセント増加させて、世界で最も多く武器を輸出する国家の中で18番目に上昇しました。トルコは同時に、防衛産業における外部依存率を80パーセントから30パーセントに減少させています。トルコは今後、防衛産業における成長を拡大させながら継続していくと予想されます。特に、無人航空機に関してトルコは世界規模で成功を収めています。トルコは、世界で武装無人航空機を生産できる6か国のうちの1国です。同時にエルドアン大統領が「無人戦車を生産する」と発言したことは、トルコが重要なテクノロジーでアイディアを生み出し、技術革新をもたらす重要な立役者であることを示しています。

トルコが防衛産業で力をつけていることは、外交政策におけるトルコの影響力を高めています。友好国や同盟国にとって武器の購入に関して重要な選択肢となったトルコは、国際市場に仲間入りをしました。トルコは、アフリカ、湾岸諸国、中央アジアからマレーシアに至るまで装甲車両を輸出しています。トルコがまた、パキスタンにATAKヘリコプターや船を輸出するだけではなく、カタールに武装無人航空機バイラクタルTB2を輸出していることは、トルコ経済を活性化させ、研究開発を強化させ、外交政策におけるトルコの影響力を高めています。


キーワード: 協議事項分析

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