「エコ・ポリティクス」 第43回

現地通貨による貿易

「エコ・ポリティクス」 第43回

ユルドゥルム・ベヤジット大学政治学部経済学科エルダル・タナス・カラギョル教授著

 

世界経済の生命線であるお金は、取り引きを行う、つまりモノの交換を行うために用いられる極めて重要なツールです。このツールが国際通貨となったことにより、すべての現地通貨に対し碇の役を担う構造が現れました。つまり、どの現地通貨もドルを軸にして国際貿易においてドルの貯蓄がお金として用いられるようになっています。この状況は、諸国の貿易を行う際にモノの価格を相互の要望によって決定するほか、世界経済におけるドル安・ドル高によって貿易が影響されるという構造を生んでいます。今日の世界貿易の40パーセント近くがドルで、30パーセント以上がユーロで行われています。世界貿易の平均70パーセント以上に影響しているこの2つの通貨は、世界経済でどれほど大きな圧力構造があるかを明確に示しています。しかし、忘れてはならないのは、世界貿易は、多面的な構造を持っており、複数の利害関係者が一同に介する何百万もの関係のネットワークで成立しているということです。貯蓄の通貨の世界経済における支払いシステムが競争などにおいてもたらす簡易化が国際企業にとってどれほど有利な状況を生んでいようとも、日に日に拡大する貿易額やその貿易における一部の大きな利害関係者は、既存の圧力構造が現地通貨によって希薄化されているという考えで一致しています。

現地通貨は、貿易のこれまでを見ると、特に2008年の金融危機の後にその使用と重要性が拡大しているのが見受けられます。金融危機の後の時期にドルは信頼できる港というよりも、リスクや問題の原因となってしまいました。

その内容で、発展途上国も措置を講じて現地通貨による貿易をさらに重要視し、現地通貨による貿易の活性化について大きな取り組みを行うようになりました。例えば2009年にトルコの通貨、リラによる輸出の利益の合計は2パーセントでしたが、2017年にその割合は8パーセントに達しています。

これも同様にトルコ・リラによる輸入の利益の合計を見ると、その割合は2008年に1.6パーセントだったのが2017年には7.5パーセントに達しています。この拡大において、トルコ・リラによる貿易を奨励し、その使用を普及させるために行われた取り組みが極めて効果的だったことは確実です。

現地通貨による貿易は、ドルの貯蓄が強いられなくなることにより世界経済のドル化を防ぐ代替手段です。この状況が貯蓄通貨であるドルのトルコ経済における影響を一定でも少なくする傾向を生んだことは、特に国際資本の流れが停滞する傾向にある途上国の経済にとっても極めて重要なことです。

今日、現地通貨が貿易で一層広く用いられていることで、その影響が及ぶ領域も同程度に広がっているため、貯蓄通貨であるドルのヘゲモニーは一定の割合で必ず落ち込むでしょう。なので、この件における1つ1つのどの取り組みも、現地通貨による貿易の世界貿易の中における幅をさらに広げ、その割合を高めるでしょう。

経常赤字の資金調達において外国通貨への依存を弱め、債務の資金調達において外国通貨を求める代わりに現地通貨が代替手段として使用可能であることは、現地通貨による貿易の発展のために極めて大きな理由となっています。

その観点から今後、現地通貨による貿易の拡大についてのロードマップを明らかにすることが必ず必要になってきます。トルコの対外貿易において極めて重要な利害を占める欧州連合(EU)諸国、そして最近、現地通貨による貿易において具体的な事例を示しているロシア、中国、イランなどの国々と、包括的で詳細な活動により、長期的に良い結果を生むであろう協力が重要になってくるでしょう。

この件における1つ1つの具体的な取り組みはどれも、世界の金融システムと貿易にとって極めて貴重なものです。



注目ニュース