「協議事項分析」 第45回

対イラン制裁と起こり得る結果

「協議事項分析」 第45回

政治経済社会研究財団(SETA)の研究者・作家、ジャン・アジュン氏著

 

アメリカのドナルド・トランプ大統領がバラク・オバマ前大統領時代にP5プラス1の形式で行われた会談の結果署名された核合意から一方的に離脱したあと、アメリカ財務省は対イラン制裁の第1弾を8月7日に発動させました。対イラン制裁の第2弾は、アメリカ財務省が発表していた180日間の期限の満了と共に11月5日に始まりました。アメリカによって表明された制裁は、特にイランのエネルギー、銀行業、運輸、保険会社といった分野を標的にしています。

アメリカが表明した制裁の第1弾により、イランのアメリカ・ドルの入手、国債の売却、金やそのほかの貴金属、鋼鉄、アルミニウム、石炭といった原料の取引、旅客機または部品の輸入が阻止されました。制裁の第2弾では、イラン国営石油会社、イラン石油貿易会社、イラン国営タンカー会社に国際的な制限が設けられ、経済の大部分を石油に依存するイランの石油と関連製品の販売に制裁が課されます。

アメリカのトランプ大統領が核合意から一方的に離脱したことによる対イラン制裁の中で重要項目の1つは、世界中の銀行間で電子資金移動を可能にするSWIFT(スイフト、国際銀行間通信協会)システムです。アメリカの制裁に沿ってSWIFT本部から出された声明で、「SWIFTは、イランの一部銀行の同システムへのアクセスを一時停止する」と述べられました。対イラン制裁のもう1つの標的は金融機関でした。外資系金融機関がイラン中央銀行や特定のイランの金融機関と行う取引が制限されました。また、制裁に沿って700以上のイラン人や機関がブラックリストに追加されたことがアメリカ財務省によって発表されました。

イランに対して実施されたこれらすべての制裁にもかかわらず、アメリカのジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官が「イランには現在適用している制裁以上のことを適用する。オバマ前大統領時代に課された制裁レベルに限定されない」と発言したことは極めて重要です。

アメリカによって表明された制裁から一時的に8か国が免除されることが発表されました。中国、インド、イタリア、ギリシャ、トルコ、韓国、台湾、日本が一時的に制裁から免除されました。これに鑑みてレジェプ・ターイプ・エルドアン大統領に向けられた質問に対してエルドアン大統領は、「この制裁に関して何から何まですべて明確なわけではないが、われわれは実際のところ、この制裁には賛成していない。なぜなら、われわれから見て制裁はすべて世界の均衡を乱すための措置である。これは国際法にも外交にも反する。もはや世界は平和に基づいたプロセスを踏みたいと望んでいる。つまり、帝国主義の世界に暮らしたくはないし、帝国主義者の圧力と共に暮らしたくはないのである。人々はこれに関してより一層平穏、平和、安全の中で暮らせる世界を望んでいる。私には機会と力がある、だから私は何でもする、であってはならない。現在講じられたこの措置において、欧州連合(EU)およびEU加盟国のほぼすべてがこのことを前向きに受け取ってはいない。皆これに関して非常に異なる視点を持っている」と述べました。

また、トルコがイランから行っているエネルギー輸入にも注意を促したエルドアン大統領は、「制裁に関してわれわれの姿勢は常に明確であった。ことさら石油に関する問題では、われわれは常にこう申してきた。これらには代替案がない、したがって制裁には断じて従わない。われわれはイランから現在100億立方メートルの天然ガスを購入している。われわれがこの天然ガスを購入しなかった場合、私は国民を冬の寒さの中で凍死させればよいのか。われわれはこんなことには従えない、容認できない」と明言しました。

同様にロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、アメリカの対イラン制裁は違法であり、国連安全保障理事会の決議に明白に違反していると語りました。フランス、中国、ドイツも対イラン制裁に異議を唱える諸国です。しかし、アメリカの全世界における権力、覇権、影響力により、異議を唱える諸国にある大手企業は制裁に従うことを表明しました。


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