JICAトルコ帰国研修員同窓会「W祝賀式典」 日本国大使公邸で叙勲式と外務大臣表彰授与式

日本国政府の2018年春の外国人叙勲で旭日双光章を受章したルヒ・エシルゲンさんへの叙勲式と、2018年度日本国外務大臣表彰を受賞したJICAトルコ帰国研修員同窓会への授与式が行われた。

JICAトルコ帰国研修員同窓会「W祝賀式典」 日本国大使公邸で叙勲式と外務大臣表彰授与式

 

 

 

「旭日双光章受章」「2018年度日本国外務大臣表彰受賞」そして「JICAトルコ帰国研修員同窓会結成30周年」というトリプルのお祝いの年を満喫するJICAとJICAトルコ帰国研修員同窓会の「W(ダブル)祝賀式典」、JICAトルコ帰国研修員同窓会の創設者で初代会長のルヒ・エシルゲンさんへの旭日双光章伝達式(叙勲式)と、2018年度日本国外務大臣表彰を受賞したJICAトルコ帰国研修員同窓会の2018年度日本国外務大臣表彰授与式が、10月5日の夜、首都アンカラにある日本国特命全権大使公邸で行われた。

 

 

アンカラ駐在の日本の特命全権大使、宮島昭夫(みやじま あきお)大使の主催により行われた式典には、トルコ共和国国家教育省のレハー・デネメチ副大臣、土日基金文化センター(とにちききんぶんかセンター)のジャフェル・タイヤール・サードゥクラル理事長、JICAトルコ事務所の安井毅裕(やすい たけひろ)所長をはじめとするJICA(ジャイカ:国際協力機構)の職員およびその関係者、2017年度日本国外務大臣表彰を受賞したアンカラ大学言語歴史地理学部東洋言語文学科日本語日本文学専攻のアイシェヌール・テキメン教授、日土婦人友好文化協会(にっと ふじん ゆうこう ぶんかきょうかい)のゼイネプ・エレンジャン会長、在トルコ日本国大使館の職員などが出席し、エシルゲンさんとJICAトルコ帰国研修員同窓会を祝福した。

 

 

式典の冒頭で祝辞を述べた日本の宮島大使は、エシルゲンさんのこれまでの功績を紹介し、「エシルゲンさんは、まさに現在の日本とトルコの友好関係の礎を築いた」と讃えた。「日本との深く長い絆を力強く語るエシルゲンさんの姿には、日本人以上に日本に対する愛情を感じることができる」と語った宮島大使は、日本国政府を代表し、エシルゲンさんの長年にわたるトルコと日本の友好関係への貢献に対し感謝の意を表した。

 

 

宮島大使は、エシルゲンさんがJICAトルコ帰国研修員同窓会を創設した当初はトルコにはJICAの事務所も土日基金文化センターもなく、日本が好きな人々が集まる唯一のトルコと日本の友好団体として活動してきたJICAトルコ帰国研修員同窓会は現在、ハサン・ヒュセイン・アタル会長のもとさまざまな活動を行っており、「トルコでの日本理解に大きな貢献をしている」と讃えた。

宮島大使は、JICAトルコ帰国研修員同窓会のこれまでの貢献に対し感謝の意を表するともに、JICAトルコ帰国研修員同窓会創設30周年を祝福した。

祝辞のほとんどをトルコ語で述べた宮島大使は、エシルゲンさん、アタル会長をはじめとするJICAトルコ帰国研修員同窓会のメンバーと家族を祝福し、「Two Nations、One Heart(ふたつの国、心はひとつ)」という言葉で祝辞を締めくくった。

 

 

JICAトルコ帰国研修員同窓会の活動を紹介するビデオが上映された後、宮島大使はエシルゲンさんに勲記と勲章を授与した。

 

 

 

宮島大使から勲記と勲章が授与されたエシルゲンさんは、お礼の挨拶で、JICAの研修で日本に滞在したときに日本の考えかたに感銘を受けて日本に関わるようになったことに触れ、「日本の考えかたで生活し、日本のことを周りに説明し、日本のことを実践することは、わたしの喜びであり大きな感銘をもたらしてくれる」と述べた。

 

 

トルコと日本との間には実際にあるほどの距離はなく、ふたつの国籍を持っていると感じていると語ったエシルゲンさんは、「この勲章ほどわたしを幸せにするものはない」と喜びの気持ちを表し、皆に感謝の意を述べた。

 

 

JICAトルコ帰国研修員同窓会には宮島大使から表彰状が授与され、ハサン・ヒュセイン・アタル会長が受け取った。

 

 

 

アタル会長はお礼のあいさつで、JICAの活動がトルコの発展を支援するとともに二国間の友好関係を強化していることは明らかであり、今回の受賞は大変喜ばしく、JICAトルコ帰国研修員同窓会およびJICAの一員であることを光栄に感じていると述べた。

アタル会長は、結成30周年を迎えたJICAトルコ帰国研修員同窓会は、これまで同様この次の30年も責任を果たし、皆と一緒に関係を一層強化しながら活動を続けていく決意をあらわにした。

 

 

アタル会長は、個人およびJICAトルコ帰国研修員同窓会を代表して受賞への感謝の意を述べるとともに、トルコと日本の協力活動が活発に続いて行くことを願った。

 

 

 

賓客として出席したトルコ共和国国家教育省のデネメチ副大臣は祝辞を述べ、エシルゲンさんとJICAトルコ帰国研修員同窓会を祝福した。

 

 

祝辞の最後に「ありがとうございました」と日本語で挨拶したデネメチ副大臣は、昔から合気道をしているため、「ありがとう」という言葉をよく口にし、使い慣れていると明かし、合気道もトルコと日本の関係の良い要素となっていると話した。

 

 

 

 

■■■ ルヒ・エシルゲンさん ■■■

2018年春の外国人叙勲で旭日双光章を受章したルヒ・エシルゲンさんは、トルコ共和国国家教育省で教育テレビ番組の担当をしていた1968年に日本で実施されたテレビ放送教育に関するJICAの研修に参加したことがきっかけで、トルコと日本の友好関係に深く関わるようになり、1998年にJICAトルコ帰国研修員同窓会を結成した。エシルゲンさんは、2008年までJICAトルコ帰国研修員同窓会の初代会長を務めた。

 

エシルゲンさんは、土日基金文化センターの設立にも携わり、1993年に設立されてから2008年まで創設理事としてセンターの活動を主導した。現在も理事会のメンバーとして活躍している。

 

メディアの世界では、トルコ共和国国家教育省教育科学総局情報科学センターと日本の公共放送NHK(エヌエイチケー、日本放送協会:にっぽんほうそうきょうかい)との間でセンターを設立し、互いのメディア素材を利用できることを可能にした。トルコ共和国国家教育省が制作したメディア素材は、NHKの番組でも活用された。

 

エシルゲンさんは、トルコでの日本語および日本語教育の普及にも大きく貢献し、高校に日本語教育課程や選択制日本語クラスを開設させた。首都アンカラにあるラジオ・テレビジョン・アナドル技術高校は、トルコ初の日本語教育課程を持つ国立高校となった。

 

トルコ科学技術研究会議(TÜBİTAK:トゥビタック)の顧問、トルコ共和国国家教育省の顧問、トルコ共和国国家教育省教育科学総局の局長など、さまざまな経歴を持つエシルゲンさんは、50年にわたりトルコと日本の友好の発展およびトルコでの日本理解の促進に大きく貢献したことが讃えられ、旭日双光章の受章が決まった。

 

 

 

 

 

 

■■■ 「外国人叙勲」とは ■■■

日本国民ではない人に勲章を贈ることを日本では「外国人叙勲」と呼んでおり、日本の内閣府の説明によると、外交儀礼上行われる叙勲と、日本との友好の増進などについて顕著な功労があった人への叙勲がある。外務大臣の推薦に基づき受章者が決められる。1981年からは年2回、春(4月29日)と秋(11月3日)に内閣府より定期的に受章者が発表されている。必要に応じて臨時に発表されることもある。

 

4月29日に行われた内閣府の発表によると、2018年春の外国人叙勲で140人に勲章が贈られた。

エシルゲンさんが受賞した旭日双光章(きょくじつそうこうしょう)は、旭日章の6つのランクの5番目で、21人が受賞した(うち1人は女性)。

トルコからは、エシルゲンさんのほかに、元駐日トルコ共和国特命全権大使および日本・トルコ協会元名誉会長のセリム・セルメット・アタジャンルさんが旭日重光章(きょくじつじゅうこうしょう)を受章した。

 

 

 

■■■ JICAトルコ帰国研修員同窓会 ■■■

7月17日に日本国外務省から2018年度外務大臣表彰の受賞が発表されたJICAトルコ帰国研修員同窓会は、JICAおよび日本でのJICAの研修を受けてトルコに帰国した人々(「JICA帰国研修員」)どうしのネットワークを強化し、JICAの事業を通じてトルコと日本の関係を強化促進することを目的に1988年3月に発足した。現在、非政府組織(NGO)としてトルコ国内で正式に登録・認可されている。

 

今でこそJICAの研修を利用して数多くのトルコ国民が日本を訪れ、研修員どうしの交流も盛んにおこなわれているが、今から30年前は研修員の数も少なく、研修員どうしのネットワークもなかった。そのため、「帰国後も日本とのつながりを保ち続けたい。同じJICA研修員として日本に行った仲間と交流したい」と願う帰国研修員の有志が集まり、発足した。当時はまだJICAの事務所はトルコにはなかった(トルコにあるJICAの事務所は1995年に開設)。

 

初代会長は、2018年春の外国人叙勲で旭日双光章を受章したルヒ・エシルゲンさんで、20年間会長を務めた。現在の会長は、アンカラ大学農学部水産学科学科長のハサン・ヒュセイン・アタル教授である。

 

JICAトルコ帰国研修員同窓会の正式会員数は約230人で、日本を愛する人々が集い、トルコと日本の友好関係の発展を促進させる場として、重要な役割を果たしている。

 

1959年から現在まで、トルコから約4000人の研修員が日本での研修に参加している。研修参加者の中には、閣僚経験者、トルコ大国民議会の議員、県知事など、国の中心で活躍する人も多数いる。

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年10月5日

文責: 浅野涼子 (ryoko.asano@trt.net.tr)

 

 

 

 



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